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１．戦後初！借金が減る見込みに（平成28年度予算案の概略）

 

現在審議中の最大の議案は平成28年度予算案です。

一般会計予算の総額は1兆2410億円（前年度比+13億円、0.1％増）。

総合計画後期アクションプランに基づき、大規模地震への備えの他、経済政策

や人材育成を進めるとともに、「世界にはばたく“ふじのくに”」と銘打ち、

「○スポーツ交流」、「○地域外交」、「○農林水産業の競争力強化」の3つを

重点戦略に掲げ、2019年のラグビーW杯や2020東京五輪・パラリンピックなどを

見すえ観光、通商の強化、TPP大筋合意を踏まえた海外市場への“攻めの農業”

に取り組むとしています。

 

◆歳入の特徴

県税は2.9％増の4960億円（＋140億円）を見込んでいます。法人2税の増

の他、個人県民税、地方消費税なども増える見込みです。

地方交付税＋臨時財政対策債の合計（実質的な地方交付税）は2325億円。

県税収入の増により前年度比20億円の減となります。特に臨財債は前年度の

1030億円から800億円に減っており、その分、地方交付税が増えています。

県債は臨財債の800億円と通常債の648.8億円を合わせ1448.8億円の発行

を見込みます。なお「退職手当債」は発行しません（やっと食い止められました！）。

 

◆歳出の特徴

「義務的経費」は6594億円（＋26億円）と増えています。医療介護など

「扶助費（1040億円）」と借金返済の「公債費（1855億円）」が増えています。

「投資的経費」は1700億円（▲47億円）。必要な投資を先送りしていないか、

チェックが必要です。

「その他政策経常費」は2278億円（＋37億円）。補助金の見直しもさらに

必要です。

 

◆県債残高

タイトルで書いた通り、戦後初めて、一般会計の県債残高が減少する見込みと

なりました（27年度末見込2兆7235億円→2兆7217億円　▲18億円）。

まだまだ巨額の県債がありますが、まずは一歩前進と評価します。

ちなみに特別会計・企業会計を合わせた「総県債残高」も2兆8864億円→

2兆8687億円と▲177億円の減少の見込みです。こちらも過去15年間をみると

初めて減少します。

最大の要因は臨財債の減少ですが、ここ数年の財政難の中、かなり厳しく事業

をチェックしていることもあると思います。

一方、10月の予算編成方針で掲げられた「事業の廃止」はできていないとのこと。

議会がメスを入れないといけません。今後、所管事務調査や決算審査で事業の廃止、

大幅な見直しが提案できるよう取り組みます。

財政健全化は私の最大のテーマです。ビシビシやっていきます。

 

★平成28年度当初予算概要（静岡県のサイト）

 

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２．最近の視察から

 

（１）20年ぶりのインド

 

　【←マルチスズキ本社】

 

1995年11月に訪問して以来、20年ぶりにインドに行きました。クラクション鳴らして

車線関係なしに頭の突っ込みあいをやる運転ぶりは昔と変わっていません。デリー近郊

では“のら牛”は見かけませんでした。ショッピングモールや高層マンションは当時はなかった

ですね。あらためてインドの成長を感じました。

主な視察先とご対応いただいたみなさまは下記のとおりです。ありがとうございました。

 

・浜松市アセアンビジネスサポートデスク インドオフィス　岩瀬社長様

・KHMドライブシステムズ社（(株)コーリツ）　神原副社長様

・ベルソニカ オートコンポーネント インディア社　石川副社長様ほか

・ASTI エレクトリック インディア社　渡邊社長様ほか

・FCC クラッチ インディア社　斎藤副社長ほか

・その他（マルチスズキ、自動車販売店2社）

 

インドはここ数年県内企業の進出意向の高い地域ですが、実際の進出企業は

急激には増えていません。その背景を調査すると同時にインド経済の状況や進出

支援のために何をすべきかを考えるために訪問しました。

 

インドは現在「Make in India」政策を進めており、積極的に外国投資を呼び込み

国内製造業を強化しようとしています。

折しも1月下旬、愛知県がインド政府商工省内の「ジャパンプラス」内に「愛知

県デスク」を開設したとのことです。今後の経済交流、投資促進を予感させる事象

と感じました。

 

一方、今後の高い経済成長は見込めますが、進出にはハードルも感じました。

「すでに来るべきところは来ている（訪問先談）」、「現地企業の競争力が高い（同）」

ことなどから、“どこにでもある技術”では難しそうです。逆に“金型、メッキ、熱処理”など

高い技術を持つ企業が不足している様子でした。

 

進出企業からは、人材育成に努力している様子や人事労務問題への課題が聞

かれました。さらに“法律や税制の変更”のような重要な経営情報が入手しにくいこと

が課題として訴えられました。正しい情報をタイムリーに伝えられるサポート体制が必要

と感じました。

浜松市のサポートデスクは税務、会計の専門家が駐在しており、当該部門での

サポートが期待できます。法務は弁護士等を紹介するということでしたが、まさにその

両面が重点的に支援すべき点だと感じました。

 

来年度予算には、インド・ミャンマー・メキシコでのサポートデスクの設置が提案されて

います。進出企業のみなさまのお役にたてるサポートデスクの設置につながるよう提案

します。

 

★海外展開支援（静岡県のサイト）

 

★浜松市アセアンビジネスサポートデスク

 

 

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（２）SIM２０３０

 

 

以前から気になっていた「SIM2030」を体験しました。

「SIM2030」は架空の自治体を舞台に、今後すべての自治体にのしかかる「インフラ

更新」や「扶助費の増」に対応するために、いかに事業のスクラップを行うかをグループ

ワークで体験する2030年までの財政シミュレーションゲームです。

熊本県職員が2年ほど前に考案し、昨今、自治体職員や財政に関心が高い議員

の間で話題になっています。

今回、熊本県大津町に行き、他市町の職員や議員とともゲームに参加しました。

 

面白い！です。

･･･と同時に、事業の再構築の難しさや総合計画の大切さを痛感しました。

これ以上は“ネタバレ”になるので書きませんが、9年間、行財政改革の勉強をして

きた私も十分楽しめました。

 

隣の席はまだ入庁2年目の職員さんで「そもそも財政って何？」って感じでしたが、

それでも一緒に楽しめました。

グループワークにあわせて福岡市財政調整課長の「財政講座」を聴講しましたが、

本ゲームとセットでやると、より財政のしくみがわかりやすいと思いました。

静岡県でもやりたいですね。

 

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