静岡県議会議員 田口 章 メールマガジン <第10号>
*********************************************************************************
みなさん、こんにちは。静岡県議会議員の 田口 章 です。
先月23日深夜に日本を発ち、インドネシア・ベトナム・タイの3ヵ国を視察し、
4日に浜松に戻ってきました。
今回の視察では、移動を除く実質9日間で、進出企業様をはじめ、商社、
商工団体など27ヵ所を訪問させていただきました。
すべての取りまとめはまだできていませんが、その一端をご報告します。
視察を受け入れてくださった企業の皆様、本当にお忙しい中、ありがとうござ
いました。また近くまでお伺いしたものの、今回寄ることができなかった企業の
皆様、今後も引き続き訪問の機会を作っていきたいと思いますので、その時は
ぜひよろしくお願い申し上げます。
*********************************************************************************
【これは無料のメールマガジンです】
これまでに名刺交換させていただいた皆様の中で、メールアドレスの記載
があった方に、毎月1回、メルマガで活動報告を送らせていただいています。
お気づきの点や、ご感想などがありましたら、お気軽にお知らせください。
またご不要の方は末尾のアドレスにその旨お伝えください。よろしくお願いい
たします。
*********************************************************************************
【日々の活動はブログをご覧ください】
★創ろう!元気な浜松&静岡県
http://taguchi-hamamatsu.cocolog-nifty.com/blog/
*********************************************************************************
◎目次
1.東南アジア視察レポート(速報)
2.最近のブログから 「インドネシアに描く夢」(1/28)
3.活動日程
*********************************************************************************
1.東南アジア視察レポート(速報)
今回の視察の趣旨は、メルマガ1月号でお知らせしたとおりですが、聞くと見ると
では大違いで、やはり、現場を見ることの大切さを痛感しました。
すでに私の想像をはるかに超える多くの企業が進出しており、その中で地域企
業のみなさんが努力されている実態を垣間見ることができました。
(1)訪問先 スズキ現地法人以外の訪問先は下記のとおりです。
(日本の会社名です。敬称は略させていただきます)
◆インドネシア(1/25-28)
① 朝日電装㈱
② ㈱ROKI
③ グリーンランド工業団地(GIIC)管理事務所(双日㈱)
④ ㈱伸東工業
⑤ 三恵㈱
⑥ 鈴木スプリング㈱
⑦ 小松工業㈱
⑧ PT. RESTU MAHKOTA KARYA (自動車販売会社)
⑨ PT. BUANA INDOMOBIL TRADA(自動車販売会社)
◆ベトナム(1/30-31)
① ロンビン工業団地 管理事務所(双日㈱)
② ㈱クレステック
③ ホーチミン日本商工会
④ ITAXA(クレステック提携先現地企業)
⑤ ASTI㈱
⑥ 日星電気㈱
◆タイ(2/1-3)
① ㈱アイゼン
② 羽立工業㈱・AVプラスチック(タイハタチ合弁先現地企業)
③ 小楠金属工業㈱
④ ソミック石川㈱
⑤ ㈱榛葉鉄工所
⑥ 天龍製鋸㈱
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)現地事情
各国で日本の商社やゼネコンによる工業団地造成が進んでいました。
携わっている方々にとっては当たり前の事実でしょうが、ここまで進んでいるとは
全く想定外でした。国勢状況とあわせ以下に簡単に報告します。
①インドネシア
2億3千万人を超える人口を有し、一人あたりGDP3000ドルを突破したことから、
国内市場の拡大が今後も続きそうです。
クルマもバイクも急激に市場拡大していますが、最大のネックは交通渋滞でイン
フラ整備が急務です。ODA(おカネ)だけでなく技術支援が必要と感じました。
ジャカルタ東部の高速道路沿線、クルマで約1時間ほどの地域に、丸紅、
双日、大成
建設などにより大規模工業団地の開発が進んでいます。一方、進出ラッシュに伴う土地不足や価格高騰もすでに起きており、土地価格
がここ2年ほどで3倍になったとの話も聞きました。
また、今契約しても土地の引き渡しは2015年くらいになるとのことで、ゼネコンに
よる工場建設はすでに予約でいっぱいとのことでした。
②ベトナム
人口は約8800万人。一人あたりGDPは約1200ドルと、3ヵ国の中ではまだ市場
は小さく、オートバイが全盛です。
今回はホーチミンを訪問しましたが、ホーチミンを中心とした南部地域とハノイを
中心とした北部地域でそれぞれ特徴があるようです。
ホーチミンは港湾整備も予定されており、アジアンマーケットを狙った輸出加工業
が増えているとのこと。
ハノイは今回は訪問していませんが、トヨタ・ホンダ・ヤマハ・キヤノン・パナソニック
など大企業が進出しており、中国マーケットを意識した進出が多いとのことでした。
双日の開発した工業団地には韓国企業が多く進出していました。日本企業
は判断が遅く、後れを取ることがあるとのことです。慎重に越したことはありませんが、
遅きに失すると機を逸します。
③タイ
人口約6300万人。一人あたりGDPは約5000ドルと3ヵ国の中では高く、日本の
ような裾野の広いものづくり産業国を目指しているとのことでした。
バンコク中心部では依然渋滞があるようですが、郊外への高速道路網の整備も
進んでいます。
バンコク郊外、クルマで1時間から2時間ほどの地域にドーナツ型に工業団地の
開発が進んでいますが、洪水の影響で進出地域を見直す動きもあるようです。
洪水被害を受けたバンコク北方のロジャナ工業団地では、水はすでに引いてお
り各工場で復旧が進んでいましたが、機械設備の浸水などによりダメージを受け
た企業がたくさんありました。
すでに生産を再開した企業もあるようですが、マスコミ報道では撤退を検討して
いる企業もあるということです。バンコク東南部のラヨーン県あたりで造成が進んで
いる高台の工業団地への移転を検討している企業もあるとのことでした。
そのラヨーン県には「東洋のデトロイト」と呼ばれる自動車産業集積地域があり、
タイ最大のレムチャバン港からも近いことから、輸出拠点としての工場進出が進ん
でいます。
ちなみに昨日、オランダの工場閉鎖が報道された三菱自動車は、レムチャバン
港から程近い工業団地に工場があります。ここを輸出拠点にするということですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)進出企業の実態
①進出理由と形態
今回の調査先は、取引先の進出に伴うものがほとんどでした。
県の「海外展開状況調査」では、主要な展開目的のひとつに「低コスト労働
力の利用」がありましたが、それは付随的なものにすぎず、それだけに期待して
の進出は非常に危険だと思います。
中には取引先の引き合いで進出したものの、取引先が撤退してしまい、苦労
しながら新たな顧客開拓を進めたという企業もありました。
独資による進出のほか、地元企業との合弁、レンタル工場の活用、進出企業
社屋の一部を借りての進出(間借り)などさまざまな実態をみてきました。
企業の体力や進出環境にあわせて、選択肢は多く、事前のフィージビリティ・
スタディをしっかり進めれば、企業規模にかかわらず進出は可能と思われます。
②進出の際の手続き
BOI(タイ政府投資委員会による税制優遇など)をはじめ、進出に当たって必要
な会社設立時の各種手続きは、工業団地では団地管理事務所でサポートして
います。
現地資本の工業団地の場合も、日本人が常駐しているところが多く、窓口となっ
てくれるとのことでした。
その他の地域ではコンサルタント会社などに依頼するようですが、その際の情報は
多くないようで、JETROや商工会、金融機関などのネットワークで情報を得ている
ようでした。客観的な情報提供を求める声が聞かれました。
③労務管理
3ヵ国ともに最大の課題は労務管理ではないでしょうか。
折りしもインドネシアでは、最低賃金引き上げに伴うデモに遭遇し、高速道路が
封鎖されたため、道路上で2時間あまり足止めを食ってしまいました。
またこのデモに伴う混乱で、生産がストップした企業もたくさんあったようです。
ベトナムでは昨年1年間で3-4回の賃上げがあったそうですし、昨年から今年にか
けて、各国ともに最低賃金が3-4割も引き上げられています。
それでも日本より安いことに変わりありませんが、あらかじめこのような労働事情で
あることを承知した上で、人事労務対策をしっかりと講じておく必要がありそうです。
この点、工業団地では部分的に対応してくれるようですが、最終的には各企業
の対応が求められるようでした。
④人財育成
進出に当たって事業を進めていく日本人の人財育成と現地社員の育成、この
両面が重要です。進出の成否は人財にかかっているといっても過言ではないかも
しれません。
日本から派遣する日本人の教育は「(財)海外職業訓練協会(OVTA)」の研修
を受講したケースを聞きましたが、そうした情報が無いままに手探りで進出した企業
もあるようです。
「OVTA」の事業は国の事業仕分けの結果、今後、縮小されることから、教育研
修の場を確保する必要があります。
実際に現地で出会った日本人駐在員の中には、意欲に燃えた若者がたくさん
いました。「海外に出たがらない若者が増えている」という報道もありますが、グロー
バリゼーションの中、海外で活躍できる人財を育成するために、グローバル化に対応
した義務教育のあり方も検討すべきです。
現地社員の研修も重要ですが、課題もたくさんあります。
まず雇用の流動性が高いことがあげられます。日本語が使える人財の育成や、
現地社員の技術習得は、事業展開に当たって不可欠ですが、せっかく育てても
高い給与を求めて転職してしまうケースが後を絶たないようです。
コア人材だけでなく、ワーカーも含めて社員の定着率はいずれの地域もあまり高く
なく、人事・採用に頭を悩ませる企業が多いようです。大手企業では、独自に採用
ノウハウを身につけ、寮などの住環境を整備するところもあるようです。
「日本での研修受け入れを改善できないか」との意見もいただきました。
現在「(財)海外技術者研修協会(AOTS)」を活用しているところが多いようです
が、内容には改善の余地があるようです。内容は今後調査します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)今後の取り組み
調査企業はいずれも国内の雇用を維持したまま、海外市場で規模を拡大して
いました。中には海外工場で、国内の10倍以上も雇用している企業がありましたが、
それをして「雇用の空洞化」と評するのは間違いです。
国内で雇用できるに越したことはありませんが、グローバリゼーションの中、海外では
可能でも、国内で10倍も雇用を増やすことはできません。
それよりも国内と海外の役割分担を明確にし棲み分けを図っていくべきと考えます。
東京都大田区は、区内の中小事業者のために、タイ最大の工業団地内に「オオ
タ・テクノ・パーク」を設立しています(写真)。
また、インドネシアで開発中のグリーンランド工業団地(GIIC)では、中国江西省の
土地開発公社が土地を取得していました(目的は聞いていません)。
行政も国境を超えて産業支援を行う時代です。日本の雇用と産業を維持する
ためにも、行政として適切な支援を行っていかねばなりません。
今後、
調査内容を精査し、3月7-9日に行われる県議会「産業委員会」の中で政策提言につなげていきたいと思います。
メルマガ読者の皆様、海外進出に当たってお気づきの点があれば、ぜひお聞かせ
いただきたいと思います。
あわせて行政へのご意見・ご要望などもお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
*********************************************************************************
2.最近のブログから 「インドネシアに描く夢」(1/28)
(←クリックすると拡大します)
NHKのニュースでインドネシアのデモが報道されたようですね。身の危険を感じる
ようなことはありませんでしたが、操業を停止した企業も多く、影響は大きかったよ
うです。私も高速道路で2時間以上足止めを食いました。
さて今日は、GIIC(グリーンランド・インターナショナル・インダストリー・シティ)、
KIIC(カラワン・インターナショナル・インダストリー・シティ)を訪問しました。
これらの工業団地は、昨日訪問したMM2100よりもさらに東に位置しています。
写真はGIIC。ここは総合商社の双日が開発しています。パノラマ写真を撮って
みましたが、今は何もない見渡す限りの土地に、今後数年かけて工業団地が整
備される予定です。
工業団地は日本の民間企業だけでなく、中国江西省土地開発公社も用地を
取得しており、中国企業の進出もありそうです。
工業団地の面積は1300haですが、ここはそれだけでなく、県庁(写真下)を誘致
し、さらに住宅分譲を進めるなど総合的なまちづくりを目指しています。
トータル開発面積は3000haで、今後、バンドン工科大学大学院なども移転予定
です。
午後はKIICを訪れ、静岡県から進出している地域企業4社を訪問し、中小企業
の進出の現状をヒアリングさせていただきました。
ここでは30代のやる気に満ちた日本人若手社員がバリバリ仕事をしていました。
また新しく工場を建設している同じく30代のゼネコン社員にも話を伺いました。
双日の若い所長もそうでしたが、彼らは単に仕事をしているだけではない…と感じ
ました。
陳腐な言葉ですが、一言でいえば“夢”でしょうね。何もない土地、何の設備も置
いていない新しい工場には“夢”がいっぱい詰まっているように感じました。
こうした “グローバル人財” を育成することが今の日本には必要です。
【日々の活動はブログをご覧ください】
★創ろう!元気な浜松&静岡県
http://taguchi-hamamatsu.cocolog-nifty.com/blog/
*********************************************************************************
3.活動日程
○1月の主な活動
01(日) 入野地区出初式
04(水) 浜松青年会議所賀詞交歓会
05(木) 自衛隊賀詞交歓会
06(金) スズキ賀詞交歓会
浜松商工会議所賀詞交歓会
浜松経済クラブ賀詞交歓会
<「インフルエンザ疑い」と診断され、
成人式・委員会視察など活動自粛>
16(月) 県政報告会
スズキ労組研修会
17(火) 私学振興議連会議
18(水) 会派政策調査会県内視察(初島)
20(金) 人間ドック受診
22(土) スズキ労組研修会
23(月)~2/4(土)
海外視察(インドネシア・ベトナム・タイ)
05(日) スズキ労組中央委員会
06(月) 豊橋三ケ日道路勉強会
08(水) 県政報告会
09(木) 会派総会・新年度予算ヒアリング
SRIシンポジウム
堀留川地域懇談会
10(金) 入野中学校立志式
11(土) 建国記念日式典
12(日) 入野地区組凧揚会 発会式
浜松西政経フォーラム総会
14(火) 教職員組合意見交換会
15(水) 県政報告会
16(木)~17(金) 秋田県・岩手県 視察
20(月) 県政報告会
21(火) 本会議(2月定例会開会)
22(水) 入野中学校評議員会
23(木) 富士山の日
25(土) 入野中学校区青少年健全育成会総会
遠州織物コンテスト
27(月) 本会議(代表質問)
28(火) 本会議(代表・一般質問)
29(水) 本会議(一般質問)
*********************************************************************************
【 田口 章 プロフィール 】
○略歴
昭和37年1月23日生(50歳)←ついに大台に突入しました
昭和59年 慶応義塾大学法学部法律学科卒業
鈴木自動車工業㈱(現スズキ㈱)入社(営業マンとして販売に従事)
平成 6年 スズキ労働組合専従役員
(教宣局長、自動車総連派遣、高塚支部長、書記長、副中央執行委員長)
平成19年 浜松市議会議員(1期)
平成23年 静岡県議会議員選挙 初当選
○好きな言葉・・・「おもしろきこともなき世をおもしろく」「今より早いときはない」
「俺がやらなきゃだれがやる。今すぐしなけりゃいつできる」
○趣味・・・オートバイ(愛車はイナズマ1200)・歌を歌うこと・カレーつくり
○家族構成・・・妻・長男(高3)・二男(高1)・長女(大4・別居)の5人家族
【 連 絡 先 】
連絡事務所(スズキ労働組合)
〒432-8062 浜松市南区増楽町20 SUN会館2階 TEL053-447-3820
会派(民主党・ふじのくに県議団)
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6 静岡県庁本館4階 TEL054-221-3510
自宅(夜間)
〒432-8061 浜松市西区入野町9860-1-305 TEL053-440-7100
*********************************************************************************
田口 章 メールマガジンのご案内
ご不要であればお手数ですが syoki2@suzuki-union.or.jp
まで「メルマガ不要」と書いて、
メールをお送りください。
ご意見などございましたら、ご遠慮なく taguchi@suzuki-union.or.jp
までメールを下さい。
よろしくお願いいたします。
日々の活動はブログに記してあります。コチラもぜひご覧下さい。
http://taguchi-hamamatsu.cocolog-nifty.com/blog/
文責 田口 章 後援会事務所
*********************************************************************************